こんな人におすすめ
・後味の悪い話が好き
・ホラー作品が好き
・謎解きはあまり好きじゃない
過去に読んだ本をジャンル分けして紹介しています。
新しい本探しにご活用ください。
もくじ
初心者向け
殺人鬼フジコの衝動/真梨 幸子
一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生はいつしか狂い始めた。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか? あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリ。最後の一行を、読んだとき、あなたは著者が仕掛けたたくらみに、戦慄する! 50万部突破の大ベストセラー、ついに電子書籍化! 2015年11月13日(金)~ Hulu/J:COMにて全6話配信。主演:尾野真千子
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イヤミスにはまるきっかけになった作品です。
読んだ後「うわあ・・・」と声が出るほど。異常なシーンも出てくるので万人におすすめできないのが悩みです。(この本に限らずだけど)
やばい家族系
修羅の家/我孫子武丸
簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。
そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。
おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されていることを知る。
一方、区役所で働く北島は、中学時代の初恋相手だった愛香と再会し「家族」での窮状をきく。
北島は愛香を救い出す可能性を探るが、“悪魔”が立ちはだかる。
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家族になるための「儀式」や抜け出せない「家族」の閉塞感がリアルに描かれています。
自分がこんな家族の一員にされたらたまったもんじゃないですね。
暗鬼/乃南アサ
嫁ぎ先は大家族。一見温かく理想的な家庭の裏に潜む奇妙な闇に主人公が気付いた時、呪われた血の絆で結ばれた家の真実が暴かれる
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洗脳の様子が丁寧に描かれています。主人公が洗脳されていくのを最初は大丈夫か?と見守っていたはずが読み進めるといつの間にか自分が洗脳されそうになっていたことに気づきます。
自分以外の家族全員が夜中に集まって話をするのを覗きにいくシーンは思わず息を殺して読んでしまうほど。
狼と兎のゲーム/我孫子武丸
智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿が。慌てて家を飛び出した二人は、迫り来る怪物から逃げ切ることができるか?
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小学生の視点で物語が進みます。暴力をふるう父親が智樹とクラスメイトを追いかけてくるシーンがとても良いです。逃走のハラハラ感が好きな人におすすめ。
紗央里ちゃんの家/矢部 嵩
祖母が風邪で死んだと知らされた小学5年生の僕。叔母夫婦の家からは従姉の紗央里ちゃんの姿も消え、叔母たちの様子はどこかおかしい。僕はこっそり家中を探し始める。第13回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。
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家の中から異臭がするので臭いの元を辿ったらカラカラに乾燥した人間の指が出てきた・・・絶対におかしいのに普通に晩御飯を食べる家族のアンバランスな描写が不安を煽ります。全体的にずっとうっすら気持ち悪くて面白いです。
侵蝕 壊される家族の記録/櫛木 理宇
ねえ。このうちって、とてもいいおうちよね。――わたしの、理想のおうちだわ。
皆川美海は平凡な高校生だった。あの女が、現れるまでは……。
幼い弟の事故死以来、沈んだ空気に満ちていた皆川家の玄関に、弟と同じ名前の少年が訪れた。行き場のない彼を、美海の母は家に入れてしまう。後日、白ずくめの衣裳に厚塗りの化粧をした異様な女が現れる。彼女は少年の母だと言い、皆川家に“寄生”し始め……。
洗脳され壊れてゆく家族の姿におののく美海。恐怖の果てに彼女を待つ驚きの結末とは……。恐ろしくて、やがて切ない、大人気シリーズ『ホーンテッド・キャンパス』著者による傑作ミステリ!
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知らない女は顔面を真っ白なおしろいで塗り尽くしひらひらのワンピースを着て肘まである手袋をする異様な風貌。家族同士で監視させて洗脳していく過程がじっくり描かれています。洗脳×家族が面白くないわけない!
女同士の友情系
ナイルパーチの女子会/柚木 麻子
「心がえぐられすぎてつらい」第二十八回山本周五郎賞&第三回高校生直木賞を受賞!友情とは何かを描いた問題作。商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。一方、翔子も実家に問題を抱え――。「本作『ナイルパーチの女子会』は、柚木麻子さんがデビュー以来追い求めてきた主題の一つの到達点であり、その後の柚木さんが展開する文学への結節点でもある。」(重松清「解説」より)
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重いです。女同士の友情ってもろい。
物理的ダメージより精神的ダメージを与えるのがうまいです。
みんな邪魔/真梨 幸子
少女漫画『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する“青い六人会”。噂話と妄想を楽しむ中年女性たちだったが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件―。辛い現実から目を背け、ヒロインを夢見る彼女たち。その熱狂が加速する時、新たな犠牲者が…。殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。
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結局普通の人同士が面白いみたいなことありますよね。
作中ではひとりひとりHNで呼び合っていますが中身は普通の人。
皆HNで呼び合いお茶会をする優雅な一面が描かれていますがひとりひとりをじっくり見るとお姫様でもなんでもない普通の主婦で、家庭での悩みがあったり世間体を気にしたり、とてもリアルです。この華やかさとリアルのギャップがたまりません。
村・町系
ぞぞのむこ/井上 宮
部下の矢崎と”漠市”に入り込んでしまった翌日から、島本には次々と幸運が舞い込んできた。そんなある日、家に帰ると自宅の前に元カノののぞみが座り込んでいて――。(表題作)
奇妙な町・漠市に関わってしまった人々が、ふとしたことから怪異と不条理に飲み込まれる。第10回小説宝石新人賞受賞作を含む、奇想あふれるホラー短編集!!
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「禁足地」「土地の神」「言い伝え」などが好きな人におすすめ。
その土地の人は知っているけどよそものがなにも知らないで飲み込まれていくホラーです。
夜葬/最東 対地
ある山間の寒村に伝わる風習。この村では、死者からくりぬいた顔を地蔵にはめ込んで弔う。くりぬかれた穴には白米を盛り、親族で食べわけるという。この事から、顔を抜かれた死者は【どんぶりさん】と呼ばれた──。 スマホにメッセージが届けば、もう逃れられない。【どんぶりさん】があなたの顔をくりぬきにやってくる。脳髄をかき回されるような恐怖を覚える、ノンストップホラー。第23回日本ホラー小説大賞【読者賞】受賞作!
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こちらも逃走系。追いかけ回される話ってどうしてこんなに面白く心惹かれるのでしょうか。
どんぶりさんがターゲットにメッセージを伝える際にLINEを使った所やGoogleマップで目的地を設定している所などが現代っぽくて新鮮です。さくっと読めます。
お孵り/滝川 さり
結婚の挨拶のため、婚約者・乙瑠の故郷を訪れた佑二。そこは生まれ変わりの伝説がある村だった。やがて乙瑠は村で里帰り出産をすることになったが、子供は生まれ変わりを司る神として村に囚われてしまい!?
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序盤からぶっとんだ儀式が描かれています。
グロというより気持ち悪い系で、テンポよくサクサク読めます。
村に伝わる奇妙な伝統系の作品が好きならハマること間違いなしです。
狂気系
リカ/五十嵐 貴久
妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。
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ゴルフクラブで殴っても死なないかなりタフな狂気の女、リカです。
エピローグもとっても後味が悪いのでこの完全版を読むのがおすすめです。結局誰も救われません。
じょかい/井上 宮
男はリビングでくつろいでいる。キッチンでは妻が夕食の支度をしている。幼い息子は冬でもないのにマスクをつけて、テレビ番組を見ている。男はキッチンへビールを取りに行く。妻の作っている料理に「美味しそうだね」と声をかけ「息子は風邪でもひいたのか?」と聞く。そしてふと気づく。自分たち夫婦に息子なんていただろうか? そして妻を見て驚愕する。誰だ、この女は? 日常が奇妙に歪む、戦慄のノンストップホラー!
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後半、じょかいとのバトルシーンがけっこう長いです。その描写がかなり気持ち悪いです!(いい意味で)
グロ耐性がある方なら楽しめると思います。推理要素はほぼ無いので「怖い話読みたい!」ってときにおすすめです。
短編集
鬼の跫音/道尾 秀介
刑務所で作られた椅子に奇妙な文章が彫られていた。家族を惨殺した猟奇殺人犯が残した不可解な単語は哀しい事件の真相を示しており……。(「ケモノ」)同級生のひどい攻撃に怯えて毎日を送る僕は、ある女の人と出会う。彼女が持つ、何でも中に入れられる不思議なキャンバス。僕はその中に恐怖心を取って欲しいと頼むが……。(「悪意の顔」)心の「鬼」に捕らわれた男女が迎える予想外の終局とは。驚愕必至の衝撃作!
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どの話も道具の使い方が面白いです。場面が想像しやすくサクサク読み進められます。
フルコースな女たち
微かに苦いその飲み物を口にした瞬間、わたしの脳裏に走馬燈のようにこれまでの人生が蘇った。ささやかな幸せを母親に邪魔され続けた、私の人生を――。コース仕立ての極上短篇小説を召し上がれ。
夫の遺骨を食べるとどんどん若返る女性、描写がリアルで想像しやすくなかなか気味が悪かったです。
怪談歳時記 12か月の悪夢
初詣の夜に妻を見失った男。帰ってきた妻は、以前とはなにかがちがっていた。老人の語りが戦慄を呼ぶ「鬼がくる家」。女子大生の〈あたし〉は真夏の山中で、われにかえった。見知らぬ車に見おぼえのない服。失われた記憶を求めて恐るべき真相にたどり着く「迷える羊」。平凡なOLが引っ越したマンションには、得体のしれない誰かが住んでいた。女の情念と狂気を描く「九月の視線」。四季を舞台に織りなす12篇の恐怖。
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ビルとビルの狭い隙間に挟まって抜け出せなくなる短編が面白いです、実際にありそうで・・・
夜市/恒川 光太郎
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング! 魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
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人生で3回しか行けない「夜市」。
異形の者たちが集い人間から才能までさまざまなものを売っています。お
祭りの夜の、楽しいけどメインストリートを離れるとちょっと怖いみたいな空気が感じられます。
月夜の島渡り/恒川 光太郎
両親と島を訪れた少年は、集落の祭りの夜に妖しい女と出会う。彼女はその場で少年の未来を予言する――(「月夜の夢の、帰り道」)。美しい海と島々を擁する沖縄が異界に変容する。『私はフーイー』を改題し文庫化。
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「夜市」が好きな方なら楽しめる本です。
怖いよりも不思議系の話が多め。
その他
砂の女/安部 公房
砂の穴の中の監禁生活に慣れていく様子が描かれています。
皮膚にはりつく砂や喉の乾きの描写がリアルで読んでいる間口の中に砂利が入ってしまった時のあの嫌な感じがします